ライオンは寝ている(The Lion Sleeps Tonight by The Tokens)の起源


ライオンは寝ている(The Lion Sleeps Tonight)は、The Tokensが1961年に発表した、同グループの代表曲です。

本曲にまつわる歴史は縦横に深く、興味が尽きないのですが、詳しく書かれている日本語の記事が見つからないため、まとめてみます。


本記事では時系列順にThe Lion Sleeps Tonightの登場までを追っていきます。

Mbube / Solomon Linda and the Evening Birds

オリジナルは、ソロモン・リンダ作の”Mbube”です。


ソロモン・リンダは1909年、ナタール植民地(現・南アフリカ共和国)の生まれです。南アフリカ共和国では、公用語の1つにズールー族が話すズールー語が用いられていますが、本作品もそのズールー語で書かれています。

Njajo Ekuseni Uya Waletha Amathamsanqa
Yebo!
Mbube
Uyimbube
Uyimbube

https://www.songsforteaching.com/PWMMbube.html

“Mbube”はズールー語で、ライオンという意味で、”Uyimbube” はあなたはライオンと言う意味になります。 この”ライオン”が具体的に何を指しているのかについては、様々な説がありますが定かではありません。

いずれにせよ”Mbube”は大ヒットし、後述する2つを含む150以上のアーティストにカバーされ、現代まで歌い継がれています。しかし、この曲でリンダに支払われた現金はほんの僅かだったそう。リンダは亡くなる際まで困窮したまま、1962年にその生涯を閉じています(近年、彼の家族が権利問題などを解決したようです)。

後に”Mbube”は、南アフリカを象徴する作品となります。この曲にちなんで、南アフリカの男性に伝わる力強いアカペラの音楽ジャンルは”Mbube”と呼ばれています。

Wimoweh / The Weavers



The Weaversは50年代に活躍したアメリカのフォークグループです。アメリカのフォークシンガーの第一人者であり、かつ社会活動でもあった、ピート・シーガーが所属していました。

彼らにソロモン・リンダの”Mbube”を伝えたのは、民族音楽研究家のアラン・ロマックス(Alan Lomax)だったと言われています。まずピート・シーガーが気に入り、自身のグループで歌おうと歌詞を覚えようとしました。しかし、ズールー語である”Uyimbube”が理解できず、聞いたまま”Wimoweh”と書き留めて、メンバーに教えました。それがこの”Wimoweh”だと言われています。

The Weaversはこの曲をライブのレギュラー曲に据え、さらに再結成の際にも歌っており、どれだけこの曲を気に入っていたかがわかります。

The Lion Sleeps Tonight / The Tokens



The Tokensはアメリカのグループで、創設者のひとりにニール・セダカがいます。この曲がリリースされた頃には彼は既に脱退しています。以降セダカの同級生であるジェイ・シーゲルがリード・ボーカルをつとめています。

遠吠えのような骨太のファルセットと、呪文のようなコーラスはそのままに、洗練された音で全体をまとめています。

ジェイ・シーゲルは古いWeaversのアルバムでこれを聞き、メンバーに伝えました。これを聞いたプロデューサーは、ルイ・アームストロングの”What a wonderful world”, エルビス・プレスリーの”Can’t help falling in love”で有名なGeorge David Weissなどに補作を依頼します。そして、題名も”Wimoweh”から”The Lion Sleeps Tonight”に変わり、ポップな仕上がりを見せました。

このTokens版は最もヒットし、3週にわたってビルボード1位に輝きました。

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