日本では、昔の中国の詩歌を《漢詩》と呼んで、古くから愛好してきました。最近では中学校・高校の国語の授業で学ぶ程度ですが、より深く学び、さらには自分で作ってみるのも楽しいかもしれません。
ただし、漢詩を作るには、多少のルールと語彙を知っておく必要があります。
今回はその助けとなる本・サイトを紹介します。
①漢詩を作る / 石川忠久
本書は、漢詩を作りたいけど何からはじめていいのかわからない方におすすめの本です。
漢詩には、様々なルールがあります。例として、李白の《山中問答》をみてみます。
問余何意棲碧山
李白 山中問答
笑而不答心自閑
桃花流水窅然去
別有天地非人間
ルール1、定型詩であること
まず、中学校でも習うように、漢詩は定型詩です(近体詩)。上記の山中問答は、7言から成る句が4つ続いています。この形式を七言絶句と言います。本書では、初心者はまず七言絶句から作るのが良い、としています。
ルール2、韻を踏むこと
漢詩では、句末の決まった箇所で韻を踏まなくてはならないというルールがあります。
山中問答では、《山》《閑》《間》で韻を踏んでいます。
ルール3、平仄を合わせること
中国語には声調と呼ばれる4種類のアクセントがあります。漢字はその声調ごとに《平》と《仄》に分類されます。漢詩内の《平》と《仄》の配置にルールがあり、それも守らなくてはなりません。
以上が漢詩のざっとしたルールですが、ややこしいと思うかもしれません。しかし、一度に全て覚える必要はないのです。本書では、まず初心者が何から覚えるべきかなどを詳しく説明しています。
②漢詩詩語辞典
ルールを覚えたら、早速作ってみましょう。しかし、いくらルールを覚えても、《韻を踏む》や《平仄を合わせる》などはできません。なぜならこれらは中国語の発音やアクセントの問題だからです。
その解決の助けをしてくれるのが、漢詩の詩語辞典です。漢詩に使える様々なフレーズがまとめられており、フレーズのジャンルや韻から調べることができます。また、平仄も記されているため、正しい詩語を選択するための助けになるでしょう。
実際に漢詩で使われている様々な言葉が収録されているため、見ているだけでも漢詩の雰囲気が味わえます。
③趣味で漢詩を創作する人のための詩語集
趣味で漢詩を創作する人のための詩語集
http://kanshi.jp/
こちらも、上記と同じで、様々な詩語がまとめられています。
④唐詩選
本書は、唐代に作られた漢詩を明の李攀竜が編纂したと言われている詩選です。日本では江戸時代に伝わり、それから多くの日本人に愛されてきました。
漢詩を作るなら、まずこちらを読んで本物の漢詩に触れるべきでしょう。
まとめ
以上、漢詩を作りたい人におすすめの本・サイトでした。
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