どうしようもない絶望に陥ったとき、《生まれてこなければよかった》という感情に陥ったことはありませんか。
《生きていて楽しくない》し、《これからもいいことはなさそう》。
いつか結婚をするかもしれない。
そのときでも、子供を作るのは絶対にやめておこう。
なぜなら、人生の苦しみを避けるには《そもそも生まれない》でいるしか解決策はないのだから。
ここまで考える人はなかなかいないと思いますが、こういった思想を《反出生主義》と言います。
反出生主義
先述の通り、反出生主義とは”新しく子供を作ることに否定的”な哲学的立場のことです。代表的な人物にデイヴィッド・ベネターがいます。
反出生主義の立場を肌で即理解するには、彼の著書”Better Never to Have Been”の献辞文を読むのが最適でしょう。
To my parents, even though they brought me into existence
Better Never to Have Been
(本書を両親に捧ぐ。私をこの世に産んでしまったけれど。)
Better Never to Have Been / デイヴィッド・ベネター
前述の献辞から始まるベネターの著書です。
どうして反出生主義という結論に至るのかが考察されています。
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時間への失墜 / エミール・シオラン
エミール・シオランは、ルーマニア生まれの著述家です。徹底したニヒリズム、厭世家として知られています。彼は著作の多くを《アフォリズム》という短文形式の集合体で構成しており、恐怖さえ覚える切れ味鋭い文章が延々と続いています。
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